♯47

免許を取る
夫が職場へ行くのに、
基本の交通手段はバスだった。
そこそこ遠かったし、
それに透析の行き帰りも加わったしで、
当時、移動代があまりにかさんできて……
なので、私が免許を取ろうというハナシになった。
ローン組んだよ。
2年ローン。
学費とか、人に何かを教わるための費用って、
割高になるなぁとつくづく思う。
それだけ人件費って高いってことだけど。
まぁ車の教習所に行く決心をして、
申し込んで、
ウチは7月から通い始めた。
目的を持って何かを学ぶって、
やっぱりやる気が違うなぁと思う。
だってすんごい頑張ったもん。
会社終わってすぐバイク(原付)走らせて教習所行って、
1コマ2コマ学んで帰ってきて。
休日はずっと教習所にいて。
雨の日も風の日も教習所に通って。
自由な時間は全部教習所につぎ込んで、
それでも全部終了させるのに3ヵ月はかかった。
今でも忘れはしない、
卒業試験で一発不合格になった信号無視(赤になるギリギリを行こうとした)とか。
2回目の卒業試験は日曜で、めちゃくちゃ大雨の中を走らせたあの景色とか。
そんなどうでもいいことを覚えている。
免許センターでの筆記試験は、収入印紙貼る場所を間違えて、
もう一回お金払って収入印紙買ったこととかさ。
あとで免許センターのおねえさんに
「それ、剥がせる薬品があるんですよ~」
と教えてもらった、切ない思い出もある(笑)
あっ、そういえば!
もう一つ、免許センターでは印象的なことがあったな。
「捜索願」が出されていた話
合格ラインをクリアして、
写真撮って、
目の検査とかも全部規定内で、
さぁいざ発行を待つだけ!となった。
名前を呼ばれて一人ずつ受け取って帰っていく中、
最後まで取り残される私(笑)
ぽつねん、とだだっ広い中で呼ばれたら、
「あなた、捜索願が出てるけど、コレ、ご実家?」
と言われた。
我、愕然。
このときで実家を飛び出して5年後くらい?
そっかぁ~……ってなったなぁ。
色々聞かれたけれど、最終的に
「実家には私から伝えて、捜索願を取り下げるように言っておきます」
と言って引き下がってもらった。
めんどくせぇ、って思ってたなぁ。
この時は。
親の心、子知らずなんですよ。
特に私は。
親不孝な娘なんです。
本当に。
それを見ていた交通なんとかのおばちゃんがね、
そのあとこんこんと
「親は大事にせんといけんよ。ちゃんと連絡とりんしゃいよ」
と2時間かけて言うてくらはりましてね。
無事免許は取れたけど、
家に帰るまではエラい時間かかった一日やったわ。
まぁ自業自得なんやけど。
で、帰ってすぐ実家電話して、
「帰ってこい」とか「今どこや」とか色々言われたけど、
「捜索願だけ取り下げといて~」と伝えて切ったわ。
ホンマにうちは親不孝なんよ。
自覚はある。