21歳で妻子持ちと駆け落ちした私の話 7

高校の時
色々あったけれど、当然ながら「店長とアルバイト」としての関係の方が長かった。19歳から21歳までの……正確に数えたら20か月だな。
長いような、短いような……。
ちなみにお付き合いした期間が3か月で、電撃結婚ならぬ電光石火で駆け落ちにいたるという(笑)
前にも言ったけれど、店長と出会ったとき私には彼氏がいた。
その彼氏を仮にK君としよう。
K君とは高校2年で出会った。
私は高1の時、中学からの友達に誘われて剣道部に入ったんだけど、その部が先輩のいない部活で、初心者二人が部活動を出来るような環境ではなかった。
しばらくだらだらと友人と剣道部に所属していたのだけれど、1年経ってその友人との仲がなんとも微妙になってしまい(これの原因がほんとに曖昧で、おそらく友人が私に飽きたというか、一緒にいすぎてしんどくなったためと思われる)、高校2年に上がり、別々に好き勝手するようになって、私はけっきょく自分が一番入りたかった演劇部の門を叩いたのだ。
高校2年で出来た初彼ピ
当時は「彼ピ」なんて浮かれた言葉はなかったなぁ。
携帯も普及しはじめたばっかりで、ツーカーのパカパカ使ってたわ。(懐かしい。ツーカーとか世の中にもうないやん)
パカパカするケータイが発売されたばっかりで、着信音とか買うのめっちゃ高かったっけな。
そんなマイケータイを、私は高2でやっと持つことを許された。
で、それと同時くらいに、演劇部にいた男の子……つまりK君とお付き合いするにいたったのだ。(ちなみに疎遠になった友人と同じクラス。英語科だったなぁ)
K君とは別に告白とかされたとか、そういう明確なキッカケがあったわけじゃなくて、なんとなく「流れ」で付き合ったっていう感じ?
同じチャリ通で、帰り道がほぼ一緒で、彼が家まで送ってくれるうちに仲良くなったというか……。
とにかく気が付けばその男子が彼氏になってた。
週末土日はよくウチの家に遊びに来てたよ。
K君は家族の受けが良かったなぁ。
礼儀正しくて、しっかりしてて、ウチのおとんもおかんも「あの子エエ子やね~」ってよう言うてたわ。
特に何事もなく2年付き合ったんだから、そこそこに中身の出来た子だったと思う。
私がこっぴどい振り方をして、別れるまでは……ね。
んで、K君と別れてから一年後くらいに駆け落ちする運びとなるんやけども。
私はずっと、K君からはこんな最低女絶対憎んでると思ってた。
それだけのことを、私は彼にしたという自覚があるし。
逆の立場なら腹立って腹立ってしゃーないと思うし、それが限界突破して普通なら「俺の人生にあの女は関係ない」って感じで無関心になるよな、って予想してた。
でもなぁ……そうじゃなかったと知ったのは駆け落ちしてから半年後、一度だけ実家に電話した時やったわ。
元彼は今……?
あっちの大阪の様子がどうなったか、今どうしてるか知りたかったというか、ちょっと軽く近況なんて聞けるかなぁなんて思って、非通知で電話したんやけど。
オトンが出て、内容が「帰ってこい!!」だの「今どこや!?」の一辺倒で(当たり前)、会話らしい会話にならなくって、聞きたいことも聞けなくって、「こらまだ電話するんやなかったなぁ~」なんて思ってたんよね。
んでもこのあと、オカンが教えてくれたこの情報にいまだ私は悩まされている。(現在進行形)
「そういやアンタ、K君から電話あったで。アンタが家出てってから」
「は? え? えっ?? け、K君? いまさら……何の用で?」
「言うてへんから知らんけど『おかやんさんいますかー』ってかかってきたわ。確かとっくに別れてたよなぁ? でもあの子エエ子やったなぁ~」
ってそのときもオカンは言ってたっけな。
私が駆け落ちしたというのに、オトンと違ってオカンはこっちが拍子抜けするほど冷静やった。
テンションが平静時のそれ。
まぁこれものちに聞いた話やけど、母親のカンだかなぜだか「いつかどこかで帰ってくる」という「確信」があったんやて。
それは今年(2023年)、正しく現実になるわけやけど。(まだ引っ越していないからね)
……うーん、預言者か?
相変わらずオカンは怖いね。
母親の話はさておき、そのファースト彼ピ君は気の毒とでも言おうか。
悪い子やないんやけど、私と付き合ってしまったがばっかりにつらい思いをさせたなぁと思わんでもない。(あんまりそういうこと言うのもどうかと思うけど)
ほんでなぁ……
なんとなくやねんけど、そこから17年経った現在ですら、K君はまだ私のことを好いてそうな気がしてならない……んよね。
いや、そういうこと言うの、ホンマどうかと思うけども。
まっさかなぁ~、17年も経って、ひっどいことされて、そんなわけないとは思うけども!
でもオカンがよく言ってたんよね。
「男っちゅうもんは」っていう話でさ──
「ええか、おかやん。今まで付き合ってきた人を絵に例えるとな、女は一枚のキャンバスに男の絵を描いて、その男と別れたらそのキャンパスを塗りつぶしてそこにまた新しい絵……つまり男を描くねんな。
せやけど男はな、一枚一枚付き合ってきた女の絵を展覧会みたくどんどん飾っていくモンやねん」
って言ってたわ。
そういやコレ↑正月に実家帰った時も、オカン、同じこと言うてたわ(笑)
全員に当てはまるような例えではないやろうけど、男性っておおむねそんな感じかもしれん、と思う。
とはいえ、私の場合はこの先この生を終えるまで、生涯夫の絵を胸に抱いて生きていくやろう。
もうすぐ実家に帰るのを目の前にして、昔の彼ピに会ったらどないしよっかなーと益体もないこと考えたりもするんだけど、そうなったらそうなったで「ブログのええネタになるなぁ」と思うあたり、私はダメだ。(駄目だ)
このK君は付き合った期間が長かったのと、初彼やったのと、高校の時から結婚を前提にお付き合いしてたフシがお互いあったのとで、やっぱり思い入れは深いものがある。
せやから出会ってしまうとなんかこう……モメそう。
モメるというより、少なくとも穏やかに「お久しぶり~」なんてことにはならなさそう。
なんかめっちゃ迫られそう(笑)
とはいえ、さすがに向こうも結婚してるやろうし、再会するとかそんな安いメロドラマ展開みたいなことならんやろ~とは思ってるんやけどね。
とはいえ自意識過剰よな。うん。
そんな感じでしばらく私の恋愛遍歴のお話になる。
というか、それがあって、あの人とお付き合いするに至るから、これはこれで必要な話でな。
コカンのユルいハナシになるかもしれんが堪忍してくれ。
次回はそのよくできた初・彼ピ君を差し置いて、私がドチャクソに浮気した話かな。
人生最高の(最低の?)黒歴史だよ。
あ~……話したくないぃ~……(でも書く)