#48

送り迎えがしんどい
3ヵ月かけて自動車免許を取って、
コツコツ貯めてたお金で中古の車を買って、
仕事と透析の往復を一人で頑張っていた夫の、
送り迎えが始まった。
これがまぁとにかくしんどい。
朝は早いし、夜は遅い。
家事も何もかも全部私一人でこなし、
仕事もフルタイムで終えてきた後、
ご飯も食べず時間を待って迎えに行って、
眠るのは11時くらい。
早寝タイプの自分にはキツかった。
あと、ご飯を食べる時間がとにかく遅くなったので、
逆流性食道炎になった。
朝起きたらとにかく吐く。
ご飯食べたらすぐ吐く。
えづいてばかりいたな、この頃は。
自分がどんどん弱っていった記憶しかない。
時間的制約が多かったこの頃。
正直、あまり記憶がない。
外食に行っても、帰り道で吐いたりしてたなぁ。
体調が悪く寝ていたら、
夫はタクシーでしか帰ることが出来ないので、
家計がどんどん苦しくなっていった。
でも、迎えに行けば数日後には体調を崩した。
市営住宅に住んでなかったら交通費で破産してた……。
なんか、生きるので精いっぱいやったなぁ。
この頃の楽しみと言えば、
夫が透析している間に行くネットカフェでのマンガくらいだった。
ちなみに、夫が透析している間、
会社の友人らと遊びに行ったらものすごく拗ねられた。
「自分が透析をしている時、遊びに行かないで欲しい」
と言われたので、
ネカフェか家でしか過ごすことを許されなかった。
ネカフェですら
「本当は家で待っててほしい」
と言われていたぐらいだ。
自分は行きたくて透析に行ってるわけではないのだから、
私だけが楽しむのは何か違うらしい。
私の人生は夫のためだけにあると決めているので、
言われたからにはそうするしかない。
なので、基本、透析の日は家で時間を潰していた。
家で何かをする分には文句は言われなかったが。
ちょっと束縛が激しい夫だけど、
まぁそういう人だから仕方ない。
ある日、体調を崩す
そんな日々が何年続いたっけな。
仕事に就いてから2,3年くらいだったと思う。
ものすごく呼吸が苦しいと訴えだした時期があった。
あまりにもしんどい。
これはおかしい。
でも、予約が入っているから仕事は休めない。
という状況だった。
どうせ私が何言ったって、
仕事優先の夫のことだ。
したいようにすればいいと思っていた。
でもこの時だけは違った。
ちゃんと手続きを取って、
急ではあったが仕事の休みを取って、
夫は病院へ行った。
本当によっぽどしんどかったんだと思う。
それほど珍しいことだった。
それで病院へ行ったのだが、
「心臓に水が溜まってるね。
これ、あと一日遅かったらキミ死んでたよ」
と言われるような状態だったらしい。
即入院の即手術で夫はどうにかなった(笑)
この悪運の強さが夫は凄い。
一命はとりとめたが、
仕事は辞めざるを得なくなったのが、
まぁ、大変なんだけど……。