#40

おかやん

夫、特別支援学校入学

市営住宅の応募をしつつ、

特別に変わったこともせずに日々は流れていく。

年を越したあたりから

ちょくちょく学校に通いつつ、

夫は合格し、

鍼灸あんまの勉強を3年間受けられることになった。

生活保護があって良かった。

で、学校に通い始めたはいいが、

とにかく通学が苦痛らしく、

ものすごく文句が多い。

なので、応募する市営住宅を思い切ってめちゃくちゃ古いところにしてみた。

そしたらその家に当たったので、すぐに引っ越すことになった。

ゴールデンウィークの最初の日が引っ越し予定日だった。

盲学校(特別支援学校のこと。だいたいみんなこう呼ぶ)でできた友人が手伝ってくれて、無事に引っ越すことになった。

私はこの時まで、夫と籍を入れていなかった。

市営住宅へ入る条件の一つに

「同居する者は家族であること」

とあるため、

転出手続きのときに婚姻届けも出した。

名実ともに、やっと私が夫の妻になれた瞬間だ。

とはいえ、特にお祝いとかないけど。

私たちにとって一番大事な日は「駆け落ち記念日」だけだ。






学生の夫

学校生活は楽しそうだった。

当時は羨ましく思ったものだ。

たぶん夫も、一番楽しかったんじゃないかと思う。

まだ透析も始まっていなかったし、

人とのかかわりが多く出来るし、

そこそこ時間に余裕もあるしで、

2年まではまぁ楽しかっただろうと思う。

3年はね、国家試験もあるし、実習もあるしで、

かなり大変そうだったな。

夫は容量が良く、頭も良い方だったけど、

その夫が

「人生で一番勉強した。受験とか二度としたくない」

と言っていたので、

「(ウチは医療従事者は絶対無理やな。そんな死ぬほど勉強とかしたくないし、ウチには出来んわ)」

とか思っていた。

そんな私がもうすぐ看護学校に入学するんだから、

人生どうなるかわからないもんだ。

学生時代の夫の苦労を追体験する未来を喜んでしまうあたり、

私はどれだけこの夫が好きなんやと、自分でも呆れてしまったり。





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おかやん
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アラフォー主婦のノンフィクション雑記ブログ
21歳で駆け落ちした経歴を持つ、現在39歳の未亡人です。 このブログが多くの人に読まれ、亡くなった夫のことを私以外の誰かにも知って欲しい。
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