【日記】原付バイクの旅 3日目

白鷺城を眺めながら
起床時間は習慣となった4時やった。
古くて汚いですよ、と前日にフロントのおねえさんに言われてたけど、ウチは全然きにならなかったなぁ。
値段に見合う感じがして、むしろ安心やったくらい。
起きてすぐお風呂に浸かったね。
ホンマはな、前日に温泉っぽいのを道中に見つけてたんよ。
「温泉って書いてる! 行こう!!」って寄ったんやけど、またしても火曜は定休日やったという……。
トラックの運ちゃんも荷物もって入り口まで来て、しょぼんとしながら引き返してたなぁ。
ウチもしょんぼりやったよ。
だけど、ホテルのお風呂でもウキウキでゆっくり時間を過ごしたわ。
朝ごはんに、昨日の「えびめしや」っていうところで包んでもらったえび飯食べてね。
1日経ってても美味しかったなぁ。
散歩には行かないでゴロゴロして、7時半にはチェックアウトして、姫路城までプィンと原付を走らせた。
キレイなお城やね。
朝日をさんさんと浴びて、白く、より白く、存在を不動のものにしていってるって感じがしたなぁ。
青い空との対比が印象的でな。
こういうのが見れただけでも、姫路に泊まった甲斐があった。
その城に挨拶と別れを告げながら、アクセルをまわした。
遠ざかるシロがさよならと手を振っているようやった。
あれはどこまで行っても美しかった。
兵庫県に入ったら
しばらく畑と田んぼと山が見えたなぁ。
いきなり都会感になる気がしてたけど、ぜんぜんそんなことはなくて、兵庫県に入ってもわりと長々と原風景がつづいた。
この時はもうずっと旧2号線だけを走ってた。
迷うこともなく。
ところどころに点在してる看板は、正しく「神戸・大阪」と書いてあったからふあんになることもなかった。
時々バイパスと交差したりして、道というのは一本ではなく、方向さえ合っていればちゃんと目的地へと繋がってるんやなぁと感心してた。
この日は終日くもりでな。
3日間のなかでも1番涼しくて過ごしやすかった。
肌をジリジリ焦がすような痛みがないから、体力の持ちがそれまでと全然違ったなぁ。
山を抜けたら、すぐにほどよく色々お店が並んでる道になってな。
街の雰囲気がどこか広島に似てたわ。
ファミマの駐車場でおにぎり食べてたら、何人もの制服姿の男女が自転車で横切っていった。
会社の人が「そちらの天気は大丈夫ですか?」ってラインくれたから「ウチ晴れ女やから雨予報でもきっと雨には遭わんわ~」なんて根拠のない大丈夫返信しながらな(笑)
「今日を最終日にするんや!」って意気込んでたから、休憩は少なめやったな。
1日通しても5、6回程度やったと思う。
まぁ長めの休憩を1回取ったからチャラなんやけどね。
ひたすらにひたすらに大阪を目指して、アクセルをまわしたよ。
兵庫抜けるのも、かなり時間がかかったように思えたなぁ。
ゴールがもうすぐと見えているからか、大阪までやけに遠いと思った。
神戸はそれまでと全然違った
ほどよい都会感をずっとずっと走っていた。
天気は曇りで、1日目2日目で体感した、肌を焼くあの痛みが、この日は全くなかった。
日差しのあり・なしは、たとえ日焼けはしようとも、体感温度は全然違うんやなぁと頷きながら大阪を目指した。
神戸っていう看板を見てからほどなくすると、景色がまたガラリと変わる。
「都会や……なんか、めっちゃ都会になったわ……」
いやー、もうこれ、めっちゃ顕著に出るんやな。
とにかく街並みというか、見える建物が急にシャレオツになったもん。
別にそれまでがどうこう、っていうわけじゃなくて、とにかく変化した。
背の高い建物が多いし、なにより、人を見かけることがゴンと増えた。
岡山とか人歩いてないもん。
トラックとしかすれ違わんし。
でも神戸入ったら、バイクも人もおるおるって感じやった。
あ。もちろん姫路はようさんおったで。
バイクから流れでみる景色の話ね。
でも1番「変わった」って思ったんは、入ったコンビニのお姉さんのイントネーションの変化やった。
「スプーンおつけしますかぁ?」
っていう言葉の語尾のね、上がり具合がね、関西圏のそれ。
「(ああ……とうとう帰ってきたんやぁ……)」って、実感を伴ってウチを包んだ。
この時のウチの喜びを、どない書いたら伝わるかな。
ウチはとにかく視覚より聴覚で認識して、このとき、17年の時を経てようやっと故郷に帰ってきたことに懐かしさと悲しみと喜びに襲われて、無性にレジ前で泣きたくなった。

きっと夫も同じ気持ちやったと思う。
あの瞬間、ウチは二人分の想いを背負って、感じて、泣きたかった。
んだけども!
レジのおねえさんをビビらせるわけにもいかんので、グッと耐えた。
ファミリーマートやったんやけどな、その時のコンビニ。
ファミマはイートインが広めに取られてるから、そこで期間限定のサツマイモのクレープ食べながら、軽くシクシクしてたわ(笑)
夏休み中の中学生もイートインで茶ぁしばきたがってたけど、ちょっとスペースがなくて、外で食べてたなぁ。
そういう人の多さも目新しかったし、やっぱり会話のイントネーションが懐かしくて、嬉しかった。
本当にね、「一緒に帰ってきたんやなぁ」って思えた瞬間!
で、コーヒーとクレープにうまうましながら地図を見てたんやけど、地図に「スーパー銭湯」の文字が見えたんよね。
せっかくやし、予定より早めに進めてるから「温泉入りたい!!」ってなって。
次の目的地はその「天然温泉」の文字が躍る場所に決めた。

これこそ、旅の醍醐味やないのー!
と、明石海峡大橋をくぐり、須磨水族館を泣く泣く横目で見ながら(水族館好き)、そのスーパー温泉へ行ったよ。
少し迷ったけどね。
行きたかった温泉施設の方がもう存在してなくって、すぐそばにあったもう一つの温泉施設の方に行ったんやでぇ。

話が長くなりそうやから、続きは次回へ!